俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
……。
無音。
…だ。
「チッ……やっぱり」
予想して逃げたのか…なんなのか。
ハァ、と小さく息を吐き、鍵をそのへんに投げてそのへんにドサッと座り込んだ。
…ちなみに悠由もそのへんに投げといて。
「先輩~。千絵さんは?」
「さあ…。逃げたんじゃねーの?」
「えっ! よに…」
「夜逃げじゃあるか馬鹿」
なんでこいつはこう、発想が極端なんだよ。
「あ。…ねえねえ先輩。なんか手紙ありますよ」
「手紙?」
のろのろと立ち上がり、悠由の指差す紙切れを手にした。
――今夜は帰れないから~❤
「……」
帰れないじゃなくて…帰らないだろ。
なに考えてんだあのおばさんは。