俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
躊躇う悠由を言いくるめ、(明らかに俺のものじゃないけど)ゼリーを食わせた。
「……はむっ」
「……」
本当に幸せそうな顔して食うなこいつは。
気に入ったか気に入らないかが手に取るようによく分かる。
頬杖をついて、食べ終わるまで眺めた。
「…で、どこまで聞いた?」
「ふん?」
スプーンを咥えたまま首を傾げる。
「千絵からか薫からか知らないが…聞いたろ?」
「え、う……」
だから分かりやすいなおい。
「別に隠してるわけじゃないからいい」
「す、すみません」
しゅんとなる悠由の髪の毛をつつきながら、静かに語った。
四年前のことや今回俺が危惧していたことを、改めて。
話し終えたとき、悠由は一言「…そうですか」とだけ言い、俺の肩に頭を乗せた。
不覚にも……不覚にも、涙が出そうになった。