俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
嬉しいんだけどしっくりこないっていうか…。
なんかすっきりしないっていうか?
「う~む」
先輩がここにいて……先輩が抱きしめてくれて…。
なにか足りないっていうか…?
「キスする?」
「そうじゃありません」
きっぱりはっきり言い切って、考え直し…。
「あ!」
分かったぁ…。
「…んだよ」
きっぱりはっきり言い切ったせいでいじけてる先輩に向き合い、じっと目を見つめる。
「……?」
「先輩」
「……?」
「おかえりなさいっ」
「……!」
これが足りなかったんだ。
先輩があたしの心に帰ってきてくれた。
その認識と確かな証。
それがほしかったんだ。