俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
それ? これ? どれ?
へんなところに引っかかって、ハテナを浮かべるあたし。
もっと別に引っかかるところがあると思う。
だってお姫様抱っこってやつをされてるし、ね。
「つーか、俺的にもう無理」
「…今度はなにが?」
「今度はってなんだよ」
言いながらすたこらさっさと歩く。
「どこ行くんですか?」
「俺の部屋」
へー…。
先輩部屋もらってたんだ。
本格的にここにいる気だったんだね……ふっ…。
一瞬投げやりになりかけた。
なりかけて……気付いた。
「…なにしに?」
素朴な疑問をぶつけると、先輩はぴたっと足を止める。
そして、じっとあたしの目を見つめ……、
「……抱かせて」
色気を帯びた目で、色気を帯びた声で、そう言った。