俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
拍子抜けしたけど、これ以上きゅんきゅんせずにすんでいいかも。
死んじゃうよほんとにもう…。
「…大丈夫だから。肩の力抜きな」
そんなあたしに囁いて、頭、目、頬、唇、と優しいキスを落としてくれた。
おかげで……ずいぶん落ち着けた。
「……いい?」
「は、い…」
色っぽくて愛に満ちた目…。
いつもより数段優しい手。
いつもよりも熱をもった体。
先輩のすべてに、あたしは虜。
先輩に夢中すぎて、頭の中が真っ白になった。
「先輩、大好き」
「ん。知ってる」
――その日あたしは、先輩の温もりと確かな愛に包まれて、久しぶりにゆっくり眠った。
こんなに落ち着いた気分は二週間ぶりくらい。
それに…こんなに満たされた気分は、初めてだった。