俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「ハァ」
短く息を吐いた。
「どこ行ってりゃこんな時間に帰ってくることがあろうか」
「ああ、それよ。いいニュースがあるわ」
俺の呟きに、千絵が思いのほか食いついた。
指をパチンと鳴らし、悠由を少し離す。
「あんねー…」
不要なほどにあっけらかんと伝えられたのは、あまりに脱力の一報だった。
「……いっそ死ね」
「ははは…」
ピクピクとこめかみがけいれんを繰り返す。
「? あれ? どこでしたっけここ」
「あ、悠由ちゃんおはよう」
「あ、おはようございます」
ベッドに正座していた悠由は、そのまま頭を下げて三つ指をつく。
「千絵さんですかぁ?」
「そーよ」
「綺麗! わっかぁい。お姉さんみたい!」
「やっだいい子~!」
…波長、合ってるし。
きゃあきゃあ言う二人を見て、ふっと鼻から息を吐き、苦笑いをこぼした。