俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「……そうだ」
「?」
「ちょっと今日は用があるから、俺も早めにここ引き上げる」
「用って…。授業は?」
「午前中出たからいいんだよ」
いや…よくないっす。
本来一日ちゃんと出て初めて「いい」って言えるんです。
この人ちゃんと進級できるんだろうか…。
「もうあと五分か…」
「そですね」
「じゃあ先行く。帰りは校門の外で待ってろよ」
「はあい」
がらぴしゃんと閉まったドアを見つめ……寂しくなって、いそいそと教室に戻った。
「悠由。早かったんだ? 今日は遅いと思ってた」
「あわよくば授業サボって二人でチョメチョメ…」
「きょ~お~こ~?」
わお。
美紅ちゃんがきょわい。
まるでまるで……。
「メデューサのよう」
「なんか言った? 悠由❤」
「あ"。い、いえ…」