俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

――龍樹サイド――


ぴしゃっと扉を閉め、俺が向かった先は教室。


「あっ篠原くん! どこ行ってたのー?」


「久しぶりだもんね今日」


「一週間もどうしてたの?」


周りを付きまとう女共をあしらい(無視ともいう)、一直線に薫のもとへ向かった。


「薫」


「えっ……。し、篠原くんが…! 篠原くんが私に話しかけてくれたわっっ!」


「…死ね」


「すみません。なんでしょう」


なんでこいつはこう…箍が外れるとこうも気色悪い。

こんなやつにしか頼れない俺って…。


「…ハァ」


「なにやら失礼なため息に見えるんだが」


「その通りだ。いいから来い」


「??」


ずるずると引っ張って教室を出る間も、薫はうるさい女に手を振り愛想を振りまく。


「で? どうしたわけ」


「お前……」


「あん?」



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