俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
肩をすくめ、手を引っ込めた。
「あ……」
「ん?」
「……」
なにか言いたそうに振り返り、切なげに瞳を揺らす。
左手は、密かに俺の服の裾を掴んでいる。
「どうした?」
「あの……でもあの…」
「?」
「あの……ぎゅうはしてほしい…」
……。
なにこの可愛さ。
顔を赤くして俯きがちに言う姿に…負けた。
なんとなく色々負けた。
「…ぎゅうだけですむと思ってんの?」
「えっ……にゃあ!?」
ぐいっと腕を引き、向き直させて抱き寄せた。
「…ぎゅうだけがいい」
「いや」
「……」
諦めたらしい悠由を……時間いっぱい堪能した。