俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
み、美紅ちゃん。
だから怖いってその顔。
まるでまるで……。
「メデューサのよう」
「なにか言った? 悠由❤」
「いえなにも」
あたしは今まで真相が見えていなかったのかもしれない。
本当に怖いのは…那智兄でもなく杏子でもなく先輩でもなく…美紅ちゃんなのかも。
ぞっと背中に悪寒が走り、そう思った。
「杏子いらっしゃいな…」
「み、美紅? 美紅?」
わお。
杏子がびびってる…。
ごくりと唾を飲み、そろりそろりと自分の席へついた。
あたしの席は一番窓際で、杏子達がいるのは廊下側。
…よっし!
ヴーッヴーッヴーッ
「ほ?」
途端、ポケットの中で携帯が震えた。