俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

「メールだ」


呟いて、カパッと画面を開く。




『今日は先に帰れ』





……。

先輩…メール、そっけなさすぎです。

絵文字とか顔文字つけろとは言わないけど、というかつけたらつけたで救急車呼ぶけど、もちょっと…ねえ?


しかも先帰れって…なんでだろ?


気になったけど、なにも聞かずに『分かりました』と負けずにそっけなく返してみた。



それで終わってしまったことがちょっと寂しかったけど、あのそっけなさ相手にメールを続けようというのは不可能に近い。

それこそ先輩が絵文字や顔文字を多用するのと同じくらいありえない。


「……ふぅ」


目を閉じ、鼻から息を吐き…携帯をしまった。




「えー……来週テストするからなっ」


そして授業が始まるなり、先生は笑顔でそう言ってのけた。

「予告しただけありがたいと思え」と胸を張るけれど、来週って四日後だ。

どうせ予告するならもっと早く…。


「…ハァ」



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