俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

お説教を受けながら並んで帰った。

那智兄と二人で歩くのもなんか久しぶりだな。



家に帰って宿題をしながら、ちらちらと携帯に目をやる。

鳴らないかな~…なんて。


「…………」


鳴らないか…。




ピルルルルルルッ




「きゃあ!」


…びびびびっくりしたぁっ。


諦めた途端のことだったので、必要以上に驚いた。

心臓ドキドキだよもう…。


覗き込んでみると、先輩の名前が表示されている。


「わあ……。届いたっ」


来い来い来い来いって祈ってたのが届いたのかな?


みるみるうちにほっぺたが上がっていくのが分かった。


「もしもし先輩っ?」


『ああ…悪かったな一人で帰らせて』


「ううん。途中でお兄ちゃんに会ったんですよ」


『そうか。よかったな』


…えへ…。


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