俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
そんな恨めしい杏子をじとっと睨みつけているうちに、憂鬱な放課後がやってくる。
補習とか……やらされるんだろっか。
「はあ。ついに来たよこの時間」
「ふふ。ご苦労さん」
「ふんだ。頑張ってね練習」
「おう! 悠由も頑張んのよー」
いつもなら「はーい」って言うとこだけど…今日は「何を?」って言いたい。
苦笑いで手を振り返して、あたしは一階へ降りて職員室に。杏子はグラウンドへ出るため靴箱へ向かった。
「失礼…しまーす」
職員室の扉を恐る恐る開け、そろそろを足を踏み入れた。
横に開けるタイプのドアって……ガラガラって音するからドキッとする。
「おー来たか澤村」
「は、はあ……」
今度は先生がニマニマ笑う。
…く、悔しいっ!
もとはといえば自分なのに、恨みの対象が杏子から先生へと変わった。
そしてしばらくお説教を受け……
「ようしっ。んじゃ、帰ってもいいぞ」
「は、はい…」
ようやく解放された。
ほんの数分の遅刻のことではなく、この間の授業を丸々休んだことを主に…言われ、言い訳するのにものすごーく焦りましたよ…。