俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
ハァ、と息を吐いてシャーペンを手にした。
「悠由ー。ご飯ーっ」
やり始めようとした途端にお母さんの声。
仕方ない…。
持って降りて、ご飯の後那智兄に教えてもらおう。
階段を降りながら、大きめの声で那智兄に話しかける。
「ねえねえ那智兄~。あとでおべんきょ教えてねー」
「おー。分かった」
…やたっ。
小さくガッツポーズをした。
「…ママぁ~。明日病院行く前おべんと作ってもいい?」
「え? いいけど…」
購買に行く時間がなかったらいけないから、あたしのと先輩の二つ作って…行くんだ。
先輩食べてくれるかな…。
甘いものが大嫌いってことしか知らないしなあ?
今からちょっとしたドキドキを胸に抱えるのだった。
どんなのにしようかなどんなのにしようかなっ。
ドキドキだけじゃない。
わくわくも…同時に。