俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
初…デート?
「せーんぱ…」
「だからもう来んなっつったろーが」
…………。
…………え。
「いい加減に……は? 悠由?」
振り向きざまに言いかけて、あたしの顔を見て硬直する。
「……おべんと…持ってきたのに…」
「ちょっ……悠由!? いや、違う。そうじゃなくて…」
「ううっ……」
「違うからっ。泣くな悠由、な?」
慌てて駆け寄ってきて、頭に手を乗せてあたしの顔を覗き込む。
「うう~~っ」
「あれが…薫があのー……しつこくてだな。また来たのかと…」
先輩にしては珍しく、とても焦っている様子。
そんな先輩を見ていると……なんだか。
「…悠由?」
「……ふふふっ」
「?」
なんだか……可笑しくなっちゃう。
先輩でもこんなことあるんだなあ。