俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

「ふあ~……」


つっかれたあ!

なにもそんな長々とお説教しなくても~…。


教室に戻り鞄を手に、伸びをしてさらに欠伸をする。

もう…眠い。


「あ…もうこんな時間」


ぼーっとしてる間に結構暗くなっちゃったぁ…。

やだなもう。


呟いてため息を落とし、急いで帰ることにした。



「……って!」


な、なにこのタイミングの悪さ!

あたしあたし…雨女ですか!?


そう。帰ろうとした瞬間に…降り出す雨。

空が暗くなってたのは、そのせいだったみたい。


そしてあたしはというと、ぼとっと鞄を落とし、両手を握り締めてどんよりした空を見上げるのだった。


「くっ…せ、せんせーのばかやろーっ」


雨まで先生のせいにして、一人ぽつんと座り込み、止むのを期待して待つ。


…あーあ。

杏子達は体育館に移動したみたいだし…。


暗いし雷鳴りそうだし、なんか怖いな…。

体育館行って杏子を待とうかな。


そう思って立ち上がったときだった。


「おい」


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