俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
優しき愛は永遠に
歩いて十数分のところにファミレスがあると言って、あたしに合わせてゆっくり歩いてくれる先輩。
大通りに出たところで、すぐにあたし達は注目を浴びる。
「かっこいくない?」
「あたし知ってるー。妹の同級生よたしか」
「モデルみたい…」
まったく声を潜めることすらしない。
惜しげもなく耳に入ってくる。
「ねえ…あれなに?」
「さあ……。ちっこいし、妹じゃない?」
……。
あれって。
あれってあたしのことかよ。
せめてあの子とかさ。
最悪あいつとかあの女でいいからさ。
はは…と密かに苦笑いをこぼした。
「…!」
そんなとき、一歩分くらい前にいた先輩が、あたしの左手を掴んだ。
「先輩?」
「……」
もしかして怒った……とか?
…あ! 『あれ』って言ったのに怒ってくれてたりして……❤