俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「えーと。……あ、あそこ」
悩みながらきょろきょろ辺りを見渡すと、一軒、とても可愛らしい雑貨屋さんのようなところを見つけた。
そこを指差して、先輩を見上げる。
「ん…? ああ、うん」
やったあ♪
先輩優しい~。
カララン…とベルの音を響かせて、お店の扉を押す。
中はアンティークな感じで……静かな雰囲気だ。
「……かわいい」
入ってすぐのところに、くまのストラップがずらっと並んでいる。
すかさず一つを手にとって、さっきの店員さんじゃないけど……目をハートにさせた。
「こういうののほうが好きなんじゃねーの?」
「へ?」
いつの間にか先輩は、店の中心近くにいた。
歩み寄って、先輩の手の中の物を見る。
わー……!
瞬く間にパアッと笑顔が広がった。
「ほしい!」
お菓子の形のストラップ。
さすが先輩…。
よく分かってらっしゃいますっ。