俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
手にとっていたドーナツのストラップ。
ひょいっと奪われた。
「あ」
あれ~どこ行くの?
慌てて、すたすた歩く先輩を追いかける。
「先輩先輩なにやってんですか? …ってあ」
レジ?
まさか……買うの?
「…先輩可愛いの好きなの?」
「ふざけてるんなら謝っとけ」
「すみません」
「ふざけてんのかよ」
「いえそういうわけでは」
なんかそう言われると謝っとかないといけない気がして。
「…いらねーの?」
「………いるっ」
小さな紙袋に入れられたそれを、目の前でちらちらと揺らされる。
それに釣られるように飛びついた。
「ありがとうございます!」
「…ん」
ああ…。
なんかもう満足しちゃった。
もうちょっと見たかったけど満足しちゃった。
……見るけど。