俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
握られている手を振り払うのも感じ悪いかなーなんて思うけど、だって心臓が張り裂けそうなんだもの。
放してほしい……。
で、でも離れたくない。
二つの思いが交錯し、先輩と繋がった左手を見つめた。
「つか…お前んちどこだよ」
「……」
ドキドキドキ…。
「おい…聞いてんのか?」
「……」
ドキドキドキドキ…。
「おいコラ。…悠由」
「っ!」
名前を呼ばれただけなのに。
速まっていた鼓動が、一際大きく跳ねた。
…び、びっくりした…。
心臓止まるかと…。
「だから聞いてんのかよてめぇは」
「へっ!? な、なんでしょう!」
痺れを切らしたような怒りを含んだ声色に、ビクンと肩が揺れた。
「チッ……たく。お前んちどこだ?」