俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
慌ててその後を追いかける。
いつもの定位置に座り込み、足を投げ出す先輩。
なんか…無駄なほどに様になってますね…。
「篠原先輩」
「…あ?」
「昨日はありがとうございました」
「なにが?」
なにがって。
なにその本気な顔。
「だから…送ってくれて。助かりました」
「…………ああ」
一拍おいてようやく理解した表情を浮かべる。
そんな忘れちゃうほどどうでもいいことだったの!?
ついそう言ってしまいそうになったけど、ぐっとこらえた。
……ん、あれ。
さっきからあたし…なにか引っかかってるんだけど…。
「あのー先輩。あたしなにか忘れてません?」
「俺が知るか」
「…ですよねぇ」
ていうか言い方冷たっ。
声にトゲがあるんですが。