俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「でも絶対なにか忘れてるんですよー。たぶんね、先輩のことだと思うんだけど…」
「はぁ?」
「だって先輩を見るとなにか引っかかるんです」
「……ふーん」
…はれ?
れれれれれ??
「にゃっ」
肩をトンッと押され、後ろに倒された。
頭を打つ寸前で抱きとめられたから…痛くなかったけど。
「し、篠原先輩…?」
無表情ともとれる、真剣な表情ともとれるような顔であたしを見下ろすと。
「…惚れた?」
甘く妖艶な声色で、そう言った。
「っ……!!」
思わず息を呑む。
どうしてか、図星をつかれたようにドキリとした。
「っそんな…わけありませんっ!」
「へー……。顔赤いけど?」
「! そ、それはその…だ、だって顔、近い…し……」
だんだん語尾は弱まっていく。
…と同時に、ふいっと顔をそらした。