俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
…どうもしなくないよ先輩……。
なんでこんなに優しいの?
「…悠由」
「っ…はい……」
あたしの首筋に顔を埋めて、優しく強く抱きしめる。
「……」
「……」
…………。
どうしよう。
心臓止まりそう。
耳たぶがものすごーく熱いよ……。
拒否、できない――…。
先輩の温かさと規則正しい鼓動に呑まれてしまいそう。
つい、身を委ねるように力を抜いた。
…どうしたのかな、先輩。
なんだか……なにか不安がってるみたいに見える。
そう思った瞬間に、猛烈な抱きしめたい衝動に駆られ、その衝動のままに両手を先輩の背中に回した。
「!?」
ピクッと先輩の体が揺れた。
なんだろ。
落ち着くな……。
しばらくそうして抱き合った。