俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
第二話 戸惑いは突然に
呼び出しと命令
あれよあれよと一週間が経った。
今日は学校へ行くのが嫌で仕方なかったあたし。
なぜなら、杏子から「今日は休む」とメールがあったからだ。
なんでも紅葉ちゃんが熱を出したらしい。
両親がいなくて二人暮らしだから、念のため今日はついてるって。
あとでお見舞い行かなくちゃね。
…それにしても。
「つまんない~~! つまんないつまんないつまんない。つーまーんーなーいーっ!」
「いーじゃない? あたしがいるわよ」
美紅(みく)ちゃんというあたしのもう一人の親友。
「うん……」
なだめるように頭をぽんぽんされ、口を尖らせて頷いた。
美紅ちゃんも大好きだけど杏子も大好きなんだもん。
つまんないよ~。
「ていうか…悠由何しにガッコ来るのよ。杏子に会いにじゃないでしょ」
「え? 杏子と美紅ちゃんに会いにだよ」
「……」
「??」
どうしたんだろ…。
なんかすごーく憐れみを含んだ目を向けられてる気がする。
気のせいかな。
小首を傾げ美紅ちゃんを見ていると、ガラリというドアの開く音と共に、
「おーし席着けー。俺の授業だぞー」
というなにやら自意識過剰な台詞が飛び込んできた。