俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

――『今日こそ来ねぇとブチ殺す』


……わお。物騒な。

しかも送り主の名前…篠原龍樹って。

本当にぶち殺されそうだよ。


「ていうかだから……どこに来いと……あ!」


思わず声に出してしまったとき、あることに気付いた。


「なに、どうしたの? 杏子から?」


美紅ちゃんの不思議そうな問いには返事をせず、


「ごめん! あたし次の時間ずつうがいたいからやすむ! …じゃなくて頭痛がするので休む!」


と、慌てすぎの宣言をして、教室を走って飛び出た。

頭痛い人が走るわけないけど。





走るわけないはずの人が走りに走って着いた先。

それは……。



「屋上のはず…」




そう、屋上。

先輩はここに来いと言っていたのだ。

それがやっと分かった。


珍しく開いている屋上の扉。

そーっと顔を覗かせ、ちらちらと視線を左右に動かす。



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