俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
ほとほと困り果ててしまっていたときだった。
「明らかに嫌がってんだろ。ダサ」
「え?」
グイッと強く腕を引かれると同時に、冷めた声でそんな言葉が、頭上から降ってきた。
「え?」
あたしも彼と同じく、「え?」と疑問の声を上げることしかできない。
だって……。
あたしの今の状況、絶対ヘン。
見知らぬ人に…後ろから抱きすくめられているなんて。
色々おかしすぎる。
「俺の女に手ェ出してんじゃねーよガキが」
「なっ」
は……?
おれの、おんな…?
「な、なに言って…! だって澤村さんは好きな人いないって! 彼氏がいるとも聞いた事ないぞ!」
「信じられねぇってんなら、証拠見せてやるけど」
ささやかな抵抗を見せる告白してきた彼にそう言うと。
「え」
あたしの顎を掴み、振り向かせて。