俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
まあお昼は行くって言っちゃったから行かなきゃだけど!
この心臓の不調はぜーんぶ先輩のせいってことで。
「解決したんなら…いいけど別に…」
美紅ちゃんは杏子と違って、全然聞いてこないんだよね。
時々寂しい気もするけどこういう時はやっぱりいいや。
「ありがとう~~」
「はあ…」
ドン引きしまくっている美紅ちゃんをよそ目に、心の中に居座る先輩を必死で追い出そうと闘うあたしだった。
「…と、いうわけなので。あたし先輩のとこへいってきます」
「……はい?」
お昼。あたしは、美紅ちゃんにビシィッと力強く敬礼をし、ロボットのような動きで購買へ向かった。
ギギ、ギギ、と関節から音がしそう。
「えっと…」
あたしはーパン派だけど。
先輩なにがいいんだろ。
よく考えたら、ついでに買って来いっていうのって無茶な気がするんだけど。
「うーん……。めろんパンところっけパンとくろわっさんくださいな」
「はいよー」
両手に買ったものを抱え、小走りに屋上へ上がる。