俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
にひゃくえん。
なにこれ?
「あの?」
「飯代」
……あ、パンのお金ってこと?
でも…。
「こんなにしませんけど…」
クロワッサンは百円だもの。半額だよ。
百円玉を一枚返そうと差し出すけど、一向に受け取ろうとしない。
「あの先輩…」
「駄賃」
…………ん?
「はい?」
「いいから黙って持っとけ。襲われてーか」
「は、はいっ」
キラーンと光った目がどう考えても本気だったので、受け取っておくことにした。
……しかし。
あたしは一体どうすれば……。てかこのころっけぱんはどーすれば…。
いつまでも目の前に突っ立っておろおろしているあたしを邪魔に思ったのか、「座れ」と言って自分の隣を指差す先輩。
「えと…はい」
隣に座り、メロンパンをちびちびかじった。