俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
泣き虫子猫
――龍樹サイド――
「ふう……」
いつものように朝っぱらから授業をサボりまくっていた俺は、さすがに呼び出されグダグダ説教を受けた。
全部聞き流し、一時間だけ出て懲りずにまた屋上へ向かう。
午後からの授業もサボってしまおうという魂胆で。
しかしもう昼か…。遅くなったな。
悠由のやつ、もう来てるか?
あいつの、真っ赤になって怒ってんだか照れてんだか分からないような顔を思い浮かべると、穏やかな気分になる。
開いたままの扉から入るとまず、悠由の姿を探した。
「あ…」
いた。
あんな端っこでなにやってんだあいつ。
うずくまる悠由に歩み寄った。
「おい…なにやってん…!?」
肩に手を置き声をかけ、気付く。
「お前……なに泣いて…?」
振り向いた悠由の目に光る雫に……。