俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「……大丈夫か?」
「ひくっ…はい……」
まだ鼻を啜りつつもなんとか泣き止んだのは、それから数分も後のことだ。
今もまだ俺にくっついて、息を整えている。
「うう~……」
たく…マジでどうしたんだこいつ。
これで強情なやつだからな…もう聞いても答えんだろう。
そう思い、理由を聞くことは諦めた。
「……ハッ!!!」
「ん?」
「きゃああ!? すすすすみません! すみませんすみませんごめんなさいぃ~~!」
……は?
な、なんだこいつ。
「にゃああ~~……」
変な声を上げながら、数メートル先まで後ずさる。
人の顔見上げるなり…悲鳴上げて逃げるたぁ、いい度胸してんじゃねーか。
「おい…」
そう思っての言葉だったのに、悠由は…。
「ご、ごめんなさい! あのついあの…そ、そんなつもりじゃなくて!」
抱きついていたことに怒っていると思ったらしく、大慌てで言い訳しようとする。