俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

……これはこれでいいかも。


S心というやつに、ふっと火がついた。


「へぇー? そんなつもりじゃなかったんだ…」


「う…は、はい…」


どんどん下がっていく頭。


「ふーん……思いっきり抱きついてきて、可愛かったけど」


「!!」


バッと勢いよく上げられた顔は、想像通り真っ赤に染まっていた。

…やっぱり可愛い。


ニッと口元に笑みを浮かべ、ゆっくり歩み寄る。

コクリと喉を鳴らすのが分かった。


…別に取って食おうってわけじゃねーよ。

……今はまだ、な。


「おいで? 悠由……」


「にゃう~~」


心底困った顔をする悠由の顎に、人差し指をすべらせた。


「どうした? ん?」


「うう……」


また俯きかける顎をつかみ、目を合わせる。


「せ、先輩……」


< 61 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop