俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
……これはこれでいいかも。
S心というやつに、ふっと火がついた。
「へぇー? そんなつもりじゃなかったんだ…」
「う…は、はい…」
どんどん下がっていく頭。
「ふーん……思いっきり抱きついてきて、可愛かったけど」
「!!」
バッと勢いよく上げられた顔は、想像通り真っ赤に染まっていた。
…やっぱり可愛い。
ニッと口元に笑みを浮かべ、ゆっくり歩み寄る。
コクリと喉を鳴らすのが分かった。
…別に取って食おうってわけじゃねーよ。
……今はまだ、な。
「おいで? 悠由……」
「にゃう~~」
心底困った顔をする悠由の顎に、人差し指をすべらせた。
「どうした? ん?」
「うう……」
また俯きかける顎をつかみ、目を合わせる。
「せ、先輩……」