俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

カチンと固まってしまっている悠由があまりに可笑しくて…笑ってしまいそうになるが、必死で堪える。


「大丈夫かー」


「……っ…っだいっ……」


…怒りで震えてる。

可愛すぎる。


「ななんでもないんですからお昼ったべ、食べましょう!」


「噛みすぎにもほどがある」


「にゃ……」


目を泳がせて、そろそろと離れる。

それを見てるとついに笑いが堪えきれなくなり、ふき出してしまった。


「なっ……なんで笑うんですかあ!」


そう言って勢いよく振り返ったかと思うと…。


「…!!」


ピタリと動きを止め、呆けたツラで俺を凝視する。


「……? なに見てんだコラ」


「……」


「おーい……悠由ー」


…ダメだなこりゃ。


早々に諦め、座り込んで置いてあったクロワッサンを口にした。

時々チラリと目だけで見上げるが…相変わらずどっかの世界へ行ってしまっている。


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