俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
つか……なんだよこいつ。
つかみどころのない気まぐれなやつかと思ったら…。
「ほれ」
「いひゃい! にゃんでひっぱるんでふかあ!」
「くくっ……」
からかいがいはあるし、見ていて飽きない。
案外単純なやつだ。
「うにゃあ~~~……」
…それに……すぐ泣く。
今だってすでに、もう目が潤んでいる。
「うう…いたかった」
「かわいそーに」
「うそばっかあ!」
その上すぐ怒って、顔を真っ赤にする。
キスをしたときの甘い声がたまらないし、抱きしめたときの温かさが心地いい。
猫っ毛のふわふわした髪の毛に触れる感触がすごく好きだし、大きくつぶらな瞳に見つめられると、心臓が締め付けられるような痛みに似たそれが走る。
俺はこの……今目の前で目を潤ませて半べそをかいている、泣き虫な子猫が。
「うにゅ~~……」
……すげぇ好きだ。