俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
――――……
あたしはいつものように、先輩のクロワッサンと自分のぶどうパンを買ってなぜかルンルン気分で屋上に向かっていた。
「よいしょ…と」
階段の踊り場にたどり着く。
ここを登れば……先輩が待ってる。
そう思うと、不思議と心が弾んだ。
急く心とは裏腹に、足取りは慎重に階段を上がる。
…階段で焦ってこけた記憶が……ね。
もう数段といったところで、若干下を向いていた視界に人の足が見えた。
あれ……女の子?
体の線に沿って見上げていくと、後ろのほうにも左側のほうにも女の子が四人いた。
お化粧も濃くて、髪が茶色だったりと染めてる様子で傷んでいる。
制服も改造してるし…。
いわゆるぎゃるしゅうだんってやつだ。
「……あの…」
「アンタ? 最近屋上に通う一年て」
「えっ…」
リーダー格らしい空気を纏う、一際派手な一人がそう言った。
「あのえっと…は、はい…」
たぶんあたししかいない、よね?