俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
さりげなく距離をとったあたしを、まだ心配そうに見ている先輩。
「無理すんなよ」
ぶっきらぼうな言い方ではあるけど。
先輩の精一杯の優しさ。
とてもよく分かるようになった。
意地悪なこと言ってても、目だけはいつも優しいの。
その光に包まれているようで…とても安心する。
でもその反面、そんな目で見られるととても苦しい。
なんか矛盾してるなあたし。
「……」
小さく息を吐き、できるだけ胃に入れようとパンをかじった。
「……かえっていぐすりのんどこう」
なんか違うような気はするけど…他にどうしていいか分かんないし。
呟いて、自分の考えに相槌を打った。
「……」
そんなあたしをまだ、先輩は凝視していた。
案外…心配性なのかも。
『私ちょっと熱っぽいわ』
『それは大変さあ寝なさい』
『あら大丈夫よ』
『ダメだダメだ、これを飲んで絶対安静だっ』
『そ、そんな~』