俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
小声でガッツポーズで叫ぶ杏子さん。
目が燃えてます……。
「あたしの論理じゃないわよー。人それぞれだけどまあみんな似たようなもんよ」
「……」
適当ですな…。
対するあたしは、よく分からないので冷めている。
杏子は…恋愛大好きだもんね。
そのくせ彼氏いないよね。
「うっさいわ」
「ごめん」
……恋、かあ…。
中学三年の頃、周りの友達が彼氏ができただなんだと言っていて、憧れていた。
でもあたしはそんな縁がなかったから…いつの間にか本当にただの憧れになってたけど。
杏子が、チラッと黒板のほうを見て、先生が背を向けているのを確認し…こそっと聞いてくる。
「ねえね。心当たりあるんでしょ? だあれ?」
「いないよ…そんなの」
「えー? じゃあ誰のこと考えたら胸がいっぱいになるの?」
「先輩のことなんて考えてない!」
…………あ。
「…ふっふっふ」
し、しまったぁ……!