俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
先生に散々叱られたあとは、杏子にも散々叱られた。
「ちょおっとどうしてたの? あいつものすごい顔して戻ってきたけど告白はどうなったの?」
勢いが…先生よりこわい……。
「え…と~……。ものすごい顔て…ま、うん…。てかどうして告白って知ってるの?」
そういえば言ってないのになにも。
そう思って、話題を変えるのにもちょうど良く聞いてみた。
「そんなん誰だって分かるわよ。それはどうでもよくって、なにがあったのかってきーてんの!」
一言で済まされ、話はまたブーメランのように戻ってきた。
杏子……せっかく美人なのにきょわい。
「なんか……すっごい綺麗な人に助けられたかと思ったら窒息死させられそうになった」
「はあ?」
…まあ、当然の反応かもしれません…。
口元を歪ませて、怪訝な表情で聞き返される。
でもしょうがないじゃないの~。
どう言っていいか分かんないよ。
「ええーっと……誰か分かんないし?」
「誰って聞いてない。何事って聞いてんの」
言えませんよ。
まさかおとなのきすをされましたなんて言えませんよ。
口をとんがらせてそっぽを向く。
バレバレかもしんない。