俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「…ふう」
見送った後部屋に戻り、ベッドにダイブする。
まったく…杏子ったら。
早とちりだよ勘違いだよ誤解だよ。
「……」
『悠由』
「っ…!」
やだ……。
杏子が変なこと言うから…!
先輩があたしを呼ぶ声。
そしてこの間優しく抱きしめてくれたときのあったかい感触。
それを思い出し、同時にそのときの胸のドキドキも蘇った。
「もう! もう~~!!」
それらをかき消すように、心持ち熱くなった顔で飛び起き、頭の上で両手を振った。
……杏子の…ばかっ。
そんなこと、ないんだから…。
第一…あたしが好きになっていいような人じゃ…。
「あ……」
……ズキン。