チョコレート・ドロップ

バスケ部では2,3年生が3オン3をやっていた。


確かに凄いのは分かる。


ダンクシュートとか、


早々見れるもんではないだろう。


俊も他の見学者に混ざって見ている。


俺は少し離れた位置で


脱出するチャンスを窺っていた。


「何逃げようとしてんの?」


さっき俺をバスケ部まで連れてきた人に見つかった。


「俺は高橋剣、ここのキャプテンです。よろしく!!」


「はぁ…。」


「お前さぁ、入学式寝てただろう?」


!!

ばれてたんだ…


入学式とか暇だしな。


「俺、生徒会長もやってて挨拶してやったのに
 まったく聞いてなかったもんな。
 ま、俺も寝てたけど。」


ケラケラと1人で笑う男。


顔立ちも整っていて背も高い。


顔で生徒会長選んだな。


「だから、絶対お前と気が合うと思ったわけ。
 バスケ部は入れよ。」


「嫌だ。」


「何でだよ。」


「俺はやる気がない。
 他が一生懸命頑張ってる中で、
 一生懸命じゃないやつがいたら迷惑だ。」


一生懸命になれたことがない。


「大丈夫だ。上手なら何も問題ない。」


「俺はバスケ初心者だ。やったことがない。」


「んー、俺が特訓してやる。」


何言っても聞かないな。


ホント面倒くさい。


「分かった。入ればいいんだろ、入れば。」


「そうだ。よっしゃ!!これからよろしくな。」


「知らないからな。」


部活する気なかったのに…



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