チョコレート・ドロップ

純情なんて必要ない


「お腹空いた。早くしろ。」


「あぁ、ちょっと待って。」


昼休み、準備の遅い俊を待つ。


「宏たーん!!」


……。


なんでバスケ部のキャプテンがこんなところにいるんだよ。


「なんだ、てめぇは。」


「つれないなぁ…。一緒にご飯食べようと思って1年棟まで来たのに!!」


だからこんなに目立っているのか…


「残念だが、俺は俊と食うんだ。」


俺は俊を指差す。


「いや、俺はいいっすよ。他の友達探すんで、じゃ。」


「ちょ!!オイ、待て!!」


俊は走り去った。


「じゃぁ、宏樹行こうぜ。」


「ちっ、めんどくせえなぁ。」

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