らいおんとはりねずみ
ガタンガタン…
「わ、うわっ!」
イキナリ降ってきたほうきの山にあたしは目を瞑った。ほうきがガラガラと音をたてる。
や…やばいっ。痣とか出来ちゃうよー。
だけど…
「……あ、あれ?痛くない?」
確かに…ほうきは倒れたハズだよね?あたしはそっと目を開けた。
すると目の前には大きな物体。よーく見ると男子の着ている学ランだった。
「…ってー」
声がした方を見上げると…らいおん、東村の顔があった。
「ひ、東村…なんでっ!?」
「誰かさんが怪我しないように守ってやったんだけど」
「えっ?」
「てか、ほうき取ってくんね?」
見てみると、東村の肩には数本のほうきが寄りかかっていた。あたしは1本1本取ってやった。