らいおんとはりねずみ





ガタンガタン…


「わ、うわっ!」


イキナリ降ってきたほうきの山にあたしは目を瞑った。ほうきがガラガラと音をたてる。


や…やばいっ。痣とか出来ちゃうよー。


だけど…


「……あ、あれ?痛くない?」


確かに…ほうきは倒れたハズだよね?あたしはそっと目を開けた。


すると目の前には大きな物体。よーく見ると男子の着ている学ランだった。


「…ってー」


声がした方を見上げると…らいおん、東村の顔があった。


「ひ、東村…なんでっ!?」


「誰かさんが怪我しないように守ってやったんだけど」


「えっ?」


「てか、ほうき取ってくんね?」


見てみると、東村の肩には数本のほうきが寄りかかっていた。あたしは1本1本取ってやった。






< 12 / 77 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop