らいおんとはりねずみ
「…はい、取ったよ」
「サンキュ」
しん…
イキナリ沈黙になる。ちなみにあたし達は今向かい合っている。あたしは掃除棚にすっぽりで、東村が掃除棚の入り口を塞ぐような形になっている。
どーすんの…この空気。
あたしは東村の頭を見たり、足元を見たりと目を泳がせた。
「ひ、東村」
「ん?」
「そ…そこ退いてくれないかな?あたし、出られなくて」
「あ、悪い」
そう謝る東村だけど…退く気配は全くない。何?何か用事?あたしは再び東村を見た。
「わ、悪い…池田」
「は?」
「俺、しばらくここ動けねぇや」
な、なんでよっ!?
「足が…痺れた」
「はい?」
「だーかーらっ、さっきほうきが当たったせいで足が痺れたんだ」