らいおんとはりねずみ
「もーあの席寒いし、先生しか見つめる人いないし…嫌だぁっ」
みちるが嘆きながら、あたしの机に顔を伏せる。すると、欠伸をしながら机にうつ伏せになった東村が視界に入った。
東村ってば…眠たいのかな?
「…李!衣李ってば!!」
みちるに呼ばれてハッとした。
「どーしたのよ、衣李。ボーッとしちゃって。もしや…恋?」
「は、はぁ!?ないないっ」
慌てて首を横に振った。
「その反応かなーり怪しいっ。誰?誰に恋しちゃったのっ?」
「だっだから違うって。そ、それよりみちるはどーなの?ほら、真崎先輩とはっ」
「あたしー?そんなにあたしと真崎先輩の関係を聞きたいっ?」
一瞬にしてみちるの目が、恋する乙女に変化していった。