らいおんとはりねずみ
「あのねっ、実はね…」
そしてみちるは恋を語り始めた。よかったぁ。一気に真崎先輩色に染まっちゃったよ。
あたしは微笑ましい笑みを浮かべて、みちるの恋バナを聞いた。だけど気になるものがあった。それは、隣人のらいおんだった。
キーンコーンカーンコーン♪
「あ、じゃあまた後でねっ。バイバイ衣李♪」
思う存分に自分の話が出来たからか、嬉しそうに自分の席に帰っていったみちるだった。
「へー。はりねずみにも好きな奴いるんだ?」
さっきの体勢からあたしを見て、東村が聞いてきた。
「ち、違うし。あれはみちるの勘違いなの」
「ふーん。でも別にいいじゃん。好きな奴いても」
そう言って大きな欠伸をした。らいおんって眠たいの?あたしはクスッと笑ってしまった。