らいおんとはりねずみ
でもさ…聞いてくれる、東村?あたしなんだか昨日から変なの。
朝もあんたに挨拶するのも緊張したし、さっきだって…好きな奴とか言うから緊張したし。
あたしにらいおんにしか使えない魔法でもかけた?
席が隣になって1日も経たないうちに、あたしは意識するようになっちゃったんだよ。
窓から見える空を見上げた。お日さまがにっこりと笑っている。お日さまパワーがあたしを包む。
「…俺にもお日さま分けろ」
隣にいる東村が凍えながらあたしを見たが、あたしはあっかんべをした。
東村も負けじとあたしにいーっとしてきた。そんな東村が子供っぽく見えて、吹き出してしまった。
「池田、また掃除をしたいか?」
という担任の声で、今…SHRだということを知らされた。あたしは「…いいえ」と小さな声で答えたのだった。