らいおんとはりねずみ
あたしのノートを受け取り、パラパラとめくる。
「意外と字、キレイじゃん」
ドキィッ!あたしの心臓が飛び跳ねた。字のことだよっ。今の褒め言葉は字なんだからっ。
「ん、どーした池田?」
「ななななんでもないよっ」
「なんか耳、赤いぞ?」
「き、気のせいだっつーのっ」
しん…
突然静かな雰囲気になり、ゆっくりと周りを見渡した。し…しまったぁっ!!今授業中だったよ!!
「いーけーだ?何が気のせいなんだ?」
数学担当のまっぴんが教科書を片手にあたしの元へ近づいてくる。ギャ、来ないでまっぴーん。
「今は数学だぞ、す・う・が・く!休み時間じゃなーいっ」
「…はい。すみません」
隣で大きならいおんがクスクス笑う。む、むっかー!