らいおんとはりねずみ
「で、ホントのところはどーなのよっ」
みちるのキラキラした目には敵わないよ。
「…ちょーっとだけ気になる」
あたしは小さく、傍にいるみちるにも聞こえるか聞こえないかぐらいの声で言った。
「キャッ。衣李ちゃんったら。それは気になるんじゃなくてもう恋よん」
だが、みちるにはちゃんとあたしの勇気が届いていた。
「わかんないって。とにかくこの話はもうやめっ。他の話に…ってえ?」
ズシ…
あたしは頭の上に何かがあるのを感じた。みちるを見ると、箸を持ったまま一時停止していた。
「池田好きな奴いんの?」
声を聞き、ぐるっと後ろを見ると…東村が立っていた。
「今話してたよな?」
「き、気のせいだってっ!!」
言えない言えないっ。あんたが気になってるんですよ、なんて。