らいおんとはりねずみ
あたしはふぅっと一息ついた。
「で、東村は何の用?」
「あーそうそう」
そう言って何かを思い出した東村は、あたしの頭にあるモノを乗せた。
「…黄金メロンパン?」
「そ。あの幻のメロンパンだぞ」
「いや、そうじゃなくて…なんであたしに黄金メロンパンを?」
「さっきのお礼」
お礼…?あたし何したっけ?授業中一緒に怒られてありがとうってわけないし…。
「ノート、見せてくれたじゃん。だからそのお礼」
それだけ言うと東村は友人の元へ歩いていった。
「び……っくりしたぁ」
一時停止していたみちるが活動し始めた。うん、あたしもびっくりしたよ。
「黄金メロンパンよかったね♪衣李、ずっと食べたいって言ってたじゃーん!!」
「…まぁね」
「でも激戦だっただろうね、東村くん」