らいおんとはりねずみ
あ…あはは。あたしは体調不良だったからさと笑った。
「昨年は衣李がいなくて寂しかったよぉっ。今年こそは体調崩さないようにしてねっ?」
みちるはニコニコスマイルであたしを見て、お弁当を食べ始めた。
…言えるわけがない。
だってあたし…本当はなわとびが出来ないなんて。
昨年だって、本当は体調なんて悪くなかった。ただのズル休みだったわけで。
さすがに2年連続休むのはキツいかな。なわとびも一応体育の評価だし。
「…衣李?ご飯食べなきゃ昼休み終わっちゃうよー?」
みちるの言葉にハッとして持っていた箸の存在に気づいた。
ご飯を体内に入れ込んでいる最中も、なわとび大会のことが頭から離れなかった。