らいおんとはりねずみ
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「ただいまっ」
家に帰り部屋に荷物を置くと、縄を持って庭へ飛び出した。
「おかえりーってどうしたの?衣李ったら…」
「ちょっと筋トレを」
「なわとび出来たっけ?」
意地悪そうに笑うお母さんをじぃっと睨む。誰のせいでなわとびが出来ないと思ってるのよっ。
そう、あたしがなわとびが出来ない理由はお母さんにあった。
『衣李ー、なわとびするよ♪』
小学2年生だったあたしに、家の庭にいたお母さんが呼んだ。あたしはなわとびが大好きだった。
そして外へ向かい、お母さんからなわとびを渡され跳んでいた。だけど何回か跳ぶうちに、いつもと違うなわとびの感触に気づいた。
『お母さーん、なわとびなんか変だよ?』
『当たり前よっ。だって蛇だもんっ♪さっき見つけたのよー』